Creators' Talk

vol.1kamikenevol.2Yasushi Kajikawavol.3Oak-to-all-relationsvol.4Toshinori Kondono.5groovisionsno.5Kuniyuki Takahashino.7Daisuke Oguchino.8Yoichi Yasuda

THE NORTH FACEを知るクリエイター達へのインタビュー

Oak-to-all-relations
Natalija Ribovic & Toru Fujita

www.oak-to-all-relations.com

Oak-to-all-relations
ヴィジュアル・メディア・アーティストのNatalija Ribovic(ナタリヤ・リボヴィッチ)と、アーティスト兼カルチャー・コーディネーターの藤田央によるカルチャー・プラットフォーム。東京、ベルリン、ウィーンを拠点に、アートを通して地球とコネクトし、さまざまな形態による表現活動を展開。主な活動に、黒田征太郎、近藤等則と共にベルリンで開催した「Pikadon Tokyo-Berlin2007」、その他「汐留SIO-SITE」新キャラクター GIONの提案、トーキョーワンダーサイト本郷展覧会「たこうさぎパルカンピクニック」など。また、THE NORTH FACEと共に、Powwow-aeaa Earth Kids projectを実施。








interview

現在、ベルリンで開催中の展覧会「Verschwindichkeit」や、THE NORTH FACEと共に展開するPowwow-aeaa Earth Kids projectをはじめ、あらゆる場所においてさまざまな活動を続けるOak-to-all-relations。そうした彼らの有機的な表現活動の根底には「地球と宇宙とのコミュニケーション・ツールとしてのアート」というコンセプトが存在する。では、そんな彼らにとって「価値のあるアート」とは何なのか、また、「願う地球の姿」とはどういうものなのか、率直な質問を投げかけてみた。


Oak-to-all-relationsのコンセプトに「Roots of Life(自然への回帰)をテーマに、テクノロジー/精神性/自然のバランスを促し、そのコミュニケーション・ツールとしてアートを用いる」とありますが、これについて説明いただけますか?


自分たちの表現活動は、宇宙と地球を繋ぐフィルターなのだと感じています。ざるそばを食べるには、水を透く“ざる”が必要ですよね。地球のメッセージを表現したい時、アートは“ざる”の役割を果たし、言葉では説明できない何かが観察者の中へ飛び込んでいく。そんなふうに考えています。


先述のコンセプトに基づく視点で、2人が捉えるクリエイティヴ・シーンの変化や進化について教えてください。


よく、現代美術は先進国(病んでいる国)でしか発展しないと言いますよね。僕らは自分たちのことを“Contemporary Earth-ist”だと思っています。宇宙には意識があり、地球に向け、また、人間や植物、動物に向けて絶えずメッセージを送り続けている。現代はそのメッセージを遮断して突き進んできましたが、今、もう一度それぞれの個人がこれを意識し、自分が宇宙と地球と繋がりたいと感じることで、この世界はどんどんいい方向に加速し進んでいくと感じています。


「地球との共存」や「自然への回帰」を意識するようになったきっかけは何でしたか?


Natalijaの故郷は旧ユーゴスラビアのセルビアにあるボイボディナという場所で、彼女は夏休みになると、農業を営むおじいさんとおばあさんを訪ね、農業を手伝っていました。子どもの頃に自然と接していたことが、日本の自然や精神性に触れ、自分の幼年期とシンクロし始めたそうです。農業とアートには多くの共通項があると彼女は言います。天候が大きく影響する農業では、作物が無事に育つかどうかは、見えない宇宙の大きな力によって左右されます。同様に、アートも宇宙の大きな力に左右され、インスピレーションは突然やってきます。アーティストは、宇宙と地球を連結するフィルターやホースのような役割があると感じているそうです。 また、僕はずっとドイツのベルリンで、メキシコ人をはじめとする多くの南米の人たちと生活を共にしていました。自分たちの家の庭にスウェットロッジ(スチームサウナ)を造り、よく皆でサウナをしていました。真っ暗なロッジの中では蒸気の音だけが聞こえ、まるで母親のお腹の中にいるようでした。僕の中での「地球との共存」や「自然への回帰」という意識は、この経験を通して芽生えたのだと思います。


アートやデザインなどのクリエイションを通して、未来の地球のためにできることは何だと思いますか?


自然のことをもっと意識して、表現していくことが大切だと思います。環境大国であるスカンジナビアは、アーティストたちの意見や表現が重要視され、また、それが社会の中に取り込まれたことで、現在のような環境が育まれたそうです。アーティストが環境問題や地球のことに取り組むことで、社会がいい方向へと変化していくと思います。自分、宇宙、地球が繋がることを話しましたが、優れたアートやデザインは、人々の無意識を解放し、宇宙の意思に近づけるのだと思います。


2人にとって「価値のあるアート」もしくは「価値のあるデザイン」とは何ですか?


オークションなどで数億円で売れるようなアートには価値が無いと思っています。世の中の流れに関係なく、何百年経っても説明不要で、ストレートに自分の中に入ってくる、だけど何かが理解できて、やっぱり理解できなくて、説明できない作品。そうした作品に素晴らしさを感じます。


東京とベルリンを拠点にしていますが、両都市を比べ、地球に対する一般的な意識に違いはありますか?


ちょうど今、ベルリンのシュプレー川のそばのカフェでこの回答を書いています。1980年代、この辺りにはPunk(左翼)がたくさんいました。今はリトル・イスタンブールと呼ばれ、多くのトルコ人と世界中から集まったアーティストと、長く腰を下ろす生粋のベルリーナが住んでいます。皆お金はないけれど、人生を自然体で楽しんでいます。東京と比べると、あらゆる人種が入り交じり、さまざまなエネルギーが錯誤している。若い人たちも世界への関心があり、深い思想を持っていると感じます。この辺りにはマクドナルドやスターバックスなどが入る余地がありません。たまに開店することもありますが、誰も行かないので、すぐに潰れてしまうのです。そうした典型的な資本主義の顔のような存在は、簡単には受け入れない姿勢があるようです。「地球に対する意識の違い」という質問でしたが、両方の国をまたぐことで違いが分かるのだと思います。これは体験しないとわからないですよね。1つの場所に留まっていると、とても狭い考え方になってしまう。だから僕らはベルリンや違う場所へ移動することで、違いを確認しながら表現活動をしています。


現在進行中、もしくは今後予定しているプロジェクトを教えてください。


4月25日から5月30日まで、ベルリンのZweigstelle Galleryにて「Verschwindichkeit」という展示を行なっています。また、NY Arts Venice Pavilionで6月7日から11月まで開催のグループ展「Work on Paper」へも参加予定です。それから、ベルリンから電車で1時間ほどのところに、1945年に第二次世界大戦の終結宣言が行なわれた、ポツダムという街があります。今年から来年にかけて、そのポツダムと広島と長崎とを繋ぎ、黒田征太郎さん、近藤等則さんと一緒に、Pikadon-Potsdam peace exhibiton and actionを開催する予定です。さらに、10月2日にはオーストリアとスロベニアの国境で行なわれるアートの祭典、Steierischer Herbst/ Festival for Contemporary Artに参加し、Pavel Haus/ Pavlova Hiza - Cultural InstitutにてOak-to-all-relationsのソロ・エキシビションを行ないます。


2人が願う地球の姿とはどのようなものですか?


全ての人はひとりひとり、エネルギーの源なのだと思います。自分の中のエネルギーの源に改めて意識を向け、畑を耕すように大切に育て、宇宙の意識と繋がることで、お互いのエネルギーの相乗効果が生まれるのだと思います。そして、それが皆を動かし、この美しい地球を守っていくのではないでしょうか。


page top