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継続可能な社会におけるクリエイティブの在り方とは何か |
クリエイティブの潮流が変化している。ほんの少し前までは、デザインの美しさや斬新さが感動を与えていた。そこには強いコンセプトに裏づけされた素晴らしいアートワークがあった。その潮流が変わってきていると感じる。クリエイティブ・ワーク自身に存在する確かな理由が求められてきているようだ。
クリエイティブは、今後“哲、道、感”の思想をベースに進んでいくように私には思える。
“哲”は世界、人生の根本原理を追求する考えであり、
“道”は人として踏み行うべき考えを示し、
“感”は物事に接し生じる心の動きを表す。
世の中の原理原則を知り、世の中の役に立つような行動をすることにより、人の心を動かせるクリエイティブ・ワークが誕生する。それは、建築、デザインやアートなど区別することなく共通の事柄なのである。世の中がクリエイティブに社会性を求めているからである。
「継続可能な社会を実現するために、今生きる人に求められるものは何か」 これは環境問題で取り上げられる際にしばしば問われる言葉であるが、当然、クリエイターも人類の一握りであり、所属者である。この継続可能な社会型クリエイティブとは何であるのかが、クリエイターの命題として問われるのである。
継続可能な社会を簡単に説明すると、人類はオゾン層破壊や温暖化などの環境問題、人口の爆発的増加と食料不足問題、そして石油枯渇まで40年という人類の存在が継続しがたい状況に直面している。現在の行動様式を変えないならば破滅へと向かうのである。そうならないように人類が、地球が継続を可能できる社会構造や仕組みは、どうあるべきかを目指す指針が「継続可能な社会の実現」である。
クリエイティブに難しい考えはいらず、良いものを創ればいいという人も多いだろう。ただ原理原則の思想なき上辺の美しさだけを表現したものは、軽さばかりを感じ見る人にとって、これからは耐えられなくなるであろう。ここが変化してきている大きな流れである。物質大量消費主義から、最適消費社会に変化している世の中に上辺だけの美しさは飽きられ、それこそ消費されていく泡のようなものになる。
人類が継続可能な循環型のクリエイティブ・システムという考え方を提案したい。それは、ひとつひとつの小さな問題解決から生まれる。例えば、ある大手企業では、会議にコピーの配布を禁止している。無駄な資源を使わず、パソコンとプロジェクターで全てを進行する。小さいことである。ただ、この決定だけで、何億枚のコピー紙が消費されずにすむのである。この小さな提案が世の中を変える力を持っているのである。
この+81 E codeでは、100%再生紙を使用しているので、実際は新しく木を消費することはないのだが、もしバージン・パルプを使用すると印刷部数から約80本の天然木を消費する換算となる。(使用木材データ算出:CSP PROJECT)
まず、私たちは消費したと仮定した自然木分の植林をすることからはじめる。伐採した分だけ植林する考え方、これが循環型クリエイティブ・システムである。それでも自然木が育つには数十年かかる。だから、成長の期間を埋める考えと行動も組み込まなければならない。再生紙の利用と合わせて、消費した分だけ新しく植えるという考えを全ての紙を消費する産業がはじめると壮大な森林が誕生することになる。地球上に大きな森林を創造するという、最もクリエイティブな活動を誕生させることができるのである。これ以上壮大なクリエイションはないだろう。
このような考えが“哲”であり、行うことが“道”であり、共鳴することが“感”なのである。
クリエイティブ・ワークは、世界を良く変える力を持っている。「クリエイターは、世の中を良くするために一生懸命努力して下さい」これは2年前、ブラジルの建築家オスカー・ニーマイヤー氏にインタビュ-した時、読者に贈られた言葉である。世界を良くするためのクリエイティブ活動をしましょう。それが最も美しく感動を生むクリエイションなのです。
+81 E code プロジェクト責任者 山下 悟