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Return to Forest - 松田 創 (明鏡止水 / INA) |
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+81:今回、+81 E codeも参加する「Return To Forest」について教えて下さい。
松田創(以下HM):きっかけは、一昨年に開催された愛知万博からの仕事の依頼でした。いくつか依頼はあったのですが、万博自体が自然環境を破壊して作っている企業広告のように思え矛盾を感じ、その時点では答えが出せずに断りました。その後、中沢新一氏の思想に共感したこともあり、自分ができる可能性を考え、今の思想へとつながったのです。
7年間に渡り日本各地の山や原生林を巡った作家活動や周囲の意見、社会を眺めながら模索した結果、都市部も含め森を再生することで、多くの問題を解決する可能性のあるシステムを考えました。消費活動を通じて森を再生循環させるシステム、これが「Return To Forest」です。近代化社会が失った、消費が社会問題に役立ち循環するシステムを考えながら、いくつかのポイントに的を絞ったソーシャル・デザインの可能性をもとに、プロジェクトを進めています。外面のみを着飾っても物の本質は見えてきません。本質まで見据えて創るデザイナーの役割を提唱すべく、INAデザイン・コンサルティング・システムズの立ち上げから、今回の「Return To Fo-rest」という一つ目のプロジェクトを始めました
+81:再生循環すべき、日本の森林状況を教えて下さい。
HM:かなり深刻な状況だと思ってください。自然だと思っている山は枯れています。土地は痩せ、川や海には魚が少なくなり、微生物が生きていくのに重要な役割を果たす間伐(森林を育てるため一部の木を間引く作業)が行われない結果、日の光が当たらなくなった薄暗い森には、熊笹の一本も生えてこないのが現状です。密集して均等に整理されて見える木々は植林地です。本来、木は平均3坪の大地に1本だと適正に成長できるのに対し、そこでは自然植生に見合わない木が、半坪から1坪の土地に植えられています。また、その後も間伐は行われず、例え伐採しても木々はそのまま放置されることもあります。こうして木々を腐らせると、CO2の20倍もの温暖化を及ぼすメタンガスを発生させてしまいます。以前は間伐された木も需要はありましたが、現在では安い輸入材も多く商売が成り立たたなくなり、山林は放置された状態です。誤った方法の植林や需要と供給のバランスの崩れた森や、住処を失って里へ下りてくる野生動物など、人の手が入ったことにより正しい循環ができなくなった、自然と呼べない“自然”の問題がその他にも数多くあるのです。
森の再生は都市生活者によって改善できると信じています。それは、多くの問題が消費活動の中で解決できるからです。全てではありませんが、それをひとつひとつデザイナーの作品として発表して解決していこうと思っています。情熱を持った地域活動者は多いのですが、都市部では活動の絶対数が少なく、かえって消費のみを煽るエコが多いのも現状です。僕は都市にいることを活かし、地方と手を組み、地域と都市の間で活動が促進するシステムを作るSocial Design Faci-litator(社会的デザインを促進し目標を達成するまとめ役)として一つの役割を担おうと考えてます。
+81:昨年から、若い人たちの社会問題に対する活動が顕著に見られるようになりましたね。
HM:持論ですが、人類も自然の一部であり、地球が僕らにそうさせているのだと思います。ラブロック(James E.Lovelock)の「ガイア仮説」が提唱するように、地球は僕らと同じ生きものだとしたら、そう考えるのが普通でしょう。
+81:感受性の強い若い人やクリエイターにそういった傾向が強いのは、自然を肌で感じているからでしょうね。それでは、クリエイティブと環境の関わりかたについてどう考えますか。
HM:現在は、従来の外面的なデザインに興味がなく、良いデザインといってもあくまで主観の問題だと思います。僕はもう消費を促進するだけの物を創りたくありません。広義のデザインという意味で、生産・流通・消費のそれぞれの背景で、社会における全ての循環を考えた仕組み作りを考えています。また、それらの知識や技術、ネットワークがない人たちに対して、国内外の独自の情報を共有し、全力でサポートしていきたいと考えています。
+81:将来の目標を教えて下さい。
HM:1人1人の意識が「自分の可能性」に向くようになって、再びお金をださなくても安心して水を飲めるような国を増やしたいですね。