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MESSAGE |
何故、いまECO designなのか。「+81」というクリエイタ-向けの雑誌を発行して約10年になる。「+81」のテーマは、現在活躍しているクリエイターを紹介すると共に50年後、100年後に時代を振り返る時、一次資料となるべきインタビューマガジンになることである。50年後に残る本の制作と思った時、世の中は、どんな状況になっているのだろうか、という考えが頭をよぎった。2055年の世の中を想像してみると、バラ色の映像と悲惨な映像が交互に浮かぶ。人類はどちらの映像を選ぶのだろうか。いや、選択するのは、50年後の人たちでは無く、いま生きている私たちなのだと気づき戦慄した。
デザイン・ブームの時代である。一方でエコロジー、環境について話題が出ない日も無い。環境とデザインが結びつくとすぐに環境デザインという言葉になる。そうなると先入観が強くはたらき、ある一握りの活動を示すようになってしまう。2005年の11月の第一週目、Design Tide、東京ファッション・ウィーク、Design Week、100% Designなど、かつてないイベントの集中である。世界中から数多くのクリエイターや ジャーナリストが東京に集まる。彼らはデザインと環境問題について、どう考え、どう答えてくれるのだろうか。海外の国では、このふたつの関係をどう捉えているのだろうか。
そう考えると次から次へと新しい興味が湧いてくる。京都議定書の全文をどれほどの人が読んでいるのか。日本の産業廃棄物の現状は、どうなっているのだろうか。アフリカなどの南北問題の実状を知りたい。知りたいこと、知っておかなければならないことを、形にしていこうということが「E code」のはじまりである。
地球の歴史の長さを1年間とすると、人類の歴史は1時間にも満たない。その人類が地球そのものを破壊しようとしている。今年の8月サハラ砂漠を旅した。自然の厳しさと雄大なサハラの景色とを味わえ一生忘れぬ想い出ができた。「+81」はインスパイア・マガジンと自称している。クリエイターに直接触れ、作品とコンセプトに感動し、その感動を読者に伝えることを役目と信じている。そして、いままでに総勢800名以上のクリエイターに出会った。
その中で、最も偉大で、最もインスパイアしてくれ、感動を与えてくれたクリエイターは、自然であった。そう感じた時、偉大なクリエイターに対する尊敬の念が生まれ、その冒涜的行為が許せなくなってきているのだろう。
デザインには、コンセプトが無ければ、ただの図である。そのコンセプトを追求していくと「何故、そのデザインが存在する必要があるのか」「目的は何か」と問われる。もう一歩踏み込むと「その存在が許されるのは誰のおかげか」「何の目的で生かされているのか」と問われる。
会社を起こして15年、雑誌の出版を続けて約10年。世の中の人たちに生かしてもらったと感謝している。使命感をもって仕事にも取り組んできたつもりでもある。いま、この編集を終えて感じたことは、突きつめれば、私たちは地球により、存在することを与えられ、自然と共存する目的で生まれてきたのだと実感する。「+81」の精神であるインスパイア・マガジンであるならば、「E code」を発信することにより、ひとりでも多くの人が、このことを考えてくれればと願うだけである。次回は、4月のEarth Dayに発行する予定。
「E code」 プロジェクト責任者 山下 悟